色のはたらきについて

色には大きく「識別性」と「情緒性」という2つのはたらきがあります。

「識別性」とは色の違いがはっきりとわかるというはたらきのことです。代表的な例は交通信号、交通路線図などがあります。色の違いをはっきりさせ識別することで安全の確保など大きな役割を果たしています。また、遠くから見ても文字や図記号がよくわかる性質(視認性)とその物自体の存在が目立つ性質(誘目性)も色の識別性には大きなかかわりを持っています。

「情緒性」とは赤色を見ると力を感じ、青をみるとすがすがしい気持ちになるなど、色が私たち人間の心理に影響を与えることです。色は国旗、紋章、企業のCIカラーなどにも用いられ、物のイメージを左右したりシンボルデザインの要素になったりもします。

日常生活において、色のはたらきについて意識されている方は少ないと思いますが、色というのはわたしたちの生活にとても大きな影響を与えているのです。

 

 

 渡辺和也(2級カラーコーディネーター)